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【Event Report】東京のワクワクする未来を考える 建築家 重松健×ライゾマティクス・アーキテクチャー 齋藤精一

2020年9月24日(木)、ニューヨーク在住でラグアルダ・ ロウ・アーキテクツ共同代表の重松健氏をコーディネーターとして、ライゾマティクス・アーキテクチャー主宰の齋藤精一氏をゲストとしてお迎えし、「東京のワクワクする未来を考える」対談が行われました。当イベントには全国から約70名がオンライン参加しました。 本イベントは、コロナ禍で世界が同じ問題に直面し、ネガティブになっている今こそ、それをポジティブに変換して「ワクワクする未来」を考えようという連続イベントになっています。重松氏のTOKYO G-LINE、TOKYO B-LINEという東京都心の未来ビジョンの提案、齋藤氏の都市のメディア化という視点から議論が行われました。 重松氏からは、都市的な視点から建築物やオープンスペースに落とし込んでいく設計において「人々の体験」「建物のあいだ」といったキーワードを述べた上で、ラグアルダ・ ロウ・アーキテクツでのプロジェクトの紹介がありました。また、首都高速都心環状線をただの公園ではなくモビリティ実験場などの複合的な機能を持ったG -LINEとする提案、都心の水上を活かして水上交通網をつくり、日常の風景を変えるB-LINEの提案を説明しました。 齋藤氏からは、はじめに「最近ワクワクしていますか?」と質問がありました。現実に追われ、未来を考えることがなかなか出来ない中で、「未来を考える」ことが重要なのではないかと話します。学生時代はアーキグラムや空中都市に、現在では様々な組織や団体と関わる中で出てきたアイデアを実装していくことにワクワクを感じると話します。ライゾマティクス・アーキテクチャーでのプロジェクトから、新宿御苑に電源の整備や開館時間の延長がされたこと、渋谷のスクランブル交差点を舞台に作成したCGがハロウィンの交通規制につながった例など、問題となっていることを少しずつ変えていくことで一見無理そうなアイデアでも意外とできると説明がありました。
クロストークでは、「旗を立てる」「未来の遊休資産」というワードが印象的でした。「旗を立てる」については、誰かがぶっ飛んだアイデアの絵を描くことで協力者が集まり現実に進み始めると齋藤氏。ニューヨークのハイラインの取り組みも妄想が現実になったことでたくさんの寄付が集まり、多くの人が実現のために動く風景は圧倒的な力があったと言います。あくまで日常化することが目的で、短期的な社会実験を超えて実現化することが重要なのではないかと重松氏は付け加えます。
「未来の遊休資産」については、今は使えていたとしても、将来的に使わなくなっていくモノに今のうちに目をつけるといった話がありました。今後モビリティが進化した際の交通インフラのあり方や都心の床の使い方も変わっていくかもしれないなどの議論もありました。
Q&Aコーナーでは、「新しいことをやろうとすると、様々な方向から反発が飛んでくると思うが、押さえておくツボはあるか」や、プロジェクトの最初の仲間づくりについて「行政や地域とのコミュニケーションで気をつけているところは」などの多くの質問が寄せられました。 また、対談後にオンラインによる交流会を実施。登壇者と参加者がインタラクティブに交流し、時間に限りはあるものの、参加者は自由に質問や感想を共有することができました。
参加者の方々には、それぞれイベントで得た知見を持ち帰り、「ワクワクする未来を考える」きっかけになったのではないかと思います。各回のイベントは、重松健氏、饗庭伸氏のどちらかがコーディネーターとして出演し、ゲストと東京の未来像について議論します。次回も引き続きお楽しみください。
  【開催概要】
■コーディネーター:重松健(ラグアルダ・ ロウ・アーキテクツ共同代表 /INSPIRING DOTSファウンダー)
■ゲスト:齋藤精一(ライゾマティクス・アーキテクチャー主宰)
■モデレーター:矢野拓洋(シティラボ東京)
**************
■日時:2020年9月24日(木) 20:00〜21:30
■会場:オンライン
■主催:シティラボ東京(一般社団法人アーバニスト)
[タイムライン]
19:55~20:00 入室
20:00~20:10 イントロダクション
20:10~20:30 重松健さん話題提供
20:30~21:10クロストーク
21:10~21:25 Q&A
21:25~21:30 クロージング