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【Event Report】大都市郊外のまちづくりのこれから 

2020年9月9日(水)、東京都立大学の饗庭伸氏を話題提供者として、大阪府立大学准教授の武田重昭氏をゲストとしてお迎えし、「大都市郊外のまちづくりのこれから」についての対談が行われました。
東京都立大学の饗庭研究室と公益財団法人 東京都都市づくり公社との共同研究により作成された「定常型市街地をつくる」の成果レポートをもとに都市計画の視点とランドスケープの視点から議論されました。当イベントには全国から約190名が参加しました。
饗庭氏からは人口縮小時代の大都市郊外のまちづくりの方法として、「空き家の発生は都市のゆっくりとした新陳代謝の過程である」「低密度化は敵ではない」などの東京郊外の<6つの新常識>について説明がありました。また「空き家・空き地を利用するなら」「都市農地を活用するなら」といった<7つの郊外に向けて>という大都市郊外のこれからのまちづくりに向けて、政策化も意識した提案がありました。さらにウィズ/・コロナ、ポストコロナ時代の定常型市街地についても紹介しました。 より詳しいレポートはこちら→定常型市街地をつくる 武田氏からは饗庭氏の「定常型市街地をつくる」を受けて、ランドスケープから定常型市街地を考える5つの視点、環境の作り方の違いが定常性にどんな影響を及ぼすか、大量供給型ではないオーダーメード型の市街地が重要であるといった見解が示されました。ランドスケープの視点から、森を定常型の例にとり、遠くから見ると変わらないものも近くで見ると細かい変化があること、その森の木々はそれぞれ関わりながらそれぞれ変化する生きた変化系であるといった新たな視点も提供されました。
Q&Aコーナーでは、「草の根的な市民の活動とそれを俯瞰して全体を整える役割にずれが生じないようにするためにどのようにすれば良いのか」や「コロナ時代におけるコンパクトシティは変わるものなのか、変わっていくべきものなのか」などの多くの質問が寄せられました。
クロストークも含めて、「ゆっくりとした時間の中での変化」「既存のあるものを生かしてネットワークをつくる」というキーワードが印象的です。
「ゆっくりとした時間の中での変化」については、市民の草の根的な活動と全体を俯瞰してみる作業を往復するような手法が必要だと述べられ、その作業が市民に根付くことや、まちに対して変化を加えるもの(変えていくもの)に対してあえて手を加えずに放置するものがあることが定常型市街地にとって重要だと発言。
「既存のものを生かしてネットワークをつくる」というキーワードには、饗庭氏は店舗間の連携や人の繋がりと言ったネットワークについて言及、武田氏はオープンスペースのネットワークこそ価値なのではないかと話しました。
また当ラボの新たな試みとして、対談後にオンラインによる交流会を実施。登壇者と参加者がインタラクティブに交流し、時間に限りはあるものの、参加者は自由に質問することができました。
参加者の方々には、それぞれイベントで得た知見を持ち帰り、次なるステップにつなげていくきっかけにしていただけたらと思います。
  【開催概要】
■話題提供者:饗庭伸(東京都立大学大学院都市政策科学域教授)
■ゲスト:武田重昭(大阪府立大学大学院生命環境科学研究科准教授)
■モデレーター:矢野拓洋(シティラボ東京)
**************
■日時:2020年9月9日(水) 19:30〜21:30
■会場:オンライン
■主催:主催:シティラボ東京(一般社団法人アーバニスト)
[タイムライン]
19:25 19:30 入室
19:30 19:40 イントロダクション
19:40 20:10 饗庭伸氏トーク
20:10 20:40 武田重昭氏トーク
20:40 21:05 ディスカッション
21:05 21:10 Q&A
21:10 21:15 クロージング