レポート
「U30」の視点で考える「まちとの多様な関わり方」
U30とは?
U30の視点で「まちとの多様な関わり方」を考える
一口に「まち(街・町)」と言っても、100万人を超える大都市から、人口数千人の地域まで、その対象は多様であり、関わり方は無限にあります。
地域と関わりはじめたキッカケ
「鰤のインターネット販売を手伝って欲しい」という仕事がキッカケで訪れた鹿児島県長島町。当初より現地に住むという予定があったわけではなかったが、現地に行くと地域に対する想いや熱意に溢れる地元の皆さんが、積極的に取り組んでくれる。その光景を見た際に「この人たちと一緒に活動していきたい!」という感情が自然と芽生えたとのことでした。 離れた地からコンサルティングをするという選択肢ではなく、現地に実際に住み、実践者として取り組み続ける、その原点は地域の方々の熱意だったのだと感じました。
会社員として身につけたIT・テクノロジーの力を、人と人との縁から繋いでもらった地域に還元していく。「ITの力を活かして、地域を元気にする!」土井さんが大切にされている軸の原点が垣間見えた導入セッションでした。
地域での多様な取り組み
例えば、「一般社団法人 熱意ある地方創生ベンチャー連合」では事務局長として、地方創生に取り組む熱意あるベンチャー企業と、全国の自治体とのブリッジを行い、地方創生の実現に取り組まれています。(※2)
また、「Minecraftカップ全国大会運営委員会」ではディレクターとして、子どもたちの教育やまちとの関わり方・未来のまちづくりを考える機会の創出(※3)、「慶應義塾大学SFC研究員、政策・メディア研究科修士課程」では、現在行っている地域活動に対してアカデミック分野からもアプローチをされています。
ここでは紹介できなかった活動もふくめ多様かつ特色ある取り組みのご紹介から、まさに「地域との多様な関わり方」をU30メンバーで考えることのできた時間となりました。
多くの場所に足を運び、ネットワークを繋ぐ
そう考えてみると私たちのU30の活動でもより多くのゲストスピーカーの方や新メンバーを巻き込んでいき、活動・ネットワークの多角化を目指すことが必要かもしれませんね!
「課題発見」「課題解決」からではなく「楽しそう!」「やってみよう!」から入る
近年のまちづくり界隈ではしばしば、「地域の課題発見」や「地域課題の解決」といった切り口から、地域との関わりがスタートします。しかし、土井さんは「楽しそう!」や「やってみよう!」から入っていくことが大切だといいます。
楽しそう、やってみたい、おもしろそう、に対して自分からチャレンジしていく。楽しんで取り組んでいるとまた人が集まり、それを支えるお金や仕組みも整っていき、前へと進んでいく。それがやがてやりたいことをつくっていくことにも繋がり、課題を解決していくことにも繋がると。
「楽しいまちとの関わり方」を創っていくためには、まずは自分達自身がまちの中の「楽しそう!」にどんどん入っていき、実際に楽しみ尽くすことが大切なのだと学びました。
今後U30がどのような企画を主体的に作っていくかお楽しみに!
土井 隆(熱意ある地方創生ベンチャー連合事務局長,長島町地方創生統括監)
1985年生まれ。神奈川県座間市出身。慶應義塾大学環境情報学部卒業後、楽天株式会社を経て、株式会社ルクサにてEC事業に従事。2012年、株式会社コアース設立。WEBサービスのプロデュースを事業とし、慶應義塾大学SFC研究員として地域社会における教育の研究を行う一方、2017年より鹿児島県⻑島町の地方創生統括監として地方創生の現場での取り組みを行っている。2021年4月より一般社団法人 熱意ある地方創生ベンチャー連合で事務局長を務め、地方創生の実現に向け自治体と企業の架け橋を担う。
篠永信一朗
1997年生まれ。愛媛県四国中央市出身。愛媛大学工学部環境建設工学科卒業後、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科に進学。都市計画・地域デザインを専門とし、故郷・愛媛県四国中央市の「祭り文化」に密着した研究を行う。2021年9月より、一般社団法人 熱意ある地方創生ベンチャー連合事務局にてスタッフを務める。2022年4月より、街づくりを推進する事業会社、NTTアーバンソリューションズ、NTT都市開発株式会社に入社。
第1回:「U30」の視点で合意形成を考える