スペシャル
【Special Report】シティラボ東京メンバーと行く真鶴・小田原の旅 ①真鶴編
▼真鶴の生活風景を守る”美の基準”
JR東海道線に乗れば、乗り換えなしで東京駅から1時間半でたどり着くことができます。鶴が翼を広げているような形をしていることから、真鶴という地名が平安時代についたそうです。起伏が激しい地形が特徴で、真鶴特有の”脊戶道(せとみち)”と言われる細い道がいくつも交差しています 。
美の基準とは、『真鶴まちづくり条例(通称”美の条例”)』を構成する3本柱のひとつであり、 町の良いところ=町の美しいもの、と定義をして、69のキーワードでまとめたものです。
このガイドブックには、強制的な効力はありません。 あくまで参加型によって実現される、まちの生活風景を守るためのガイドラインとしてまちの人たちに 活用されています。説明の中には数字の基準が存在せず、全て言葉により構成されているので、多様な 価値観を受容できる”余白”があります。
例えば「ピンクの壁に塗り替えたい!」という住⺠がいた場合、 「ピンクは真鶴に合わないので、やめましょう」ではなく、「真鶴に合うピンクはどんなピンク?」 といった具合に、町にとっての”美しさ”をみんなで深ぼって考えていきます。 思考の過程で、真鶴らしさの共通認識が生まれてくるのでしょう。
▼小さな一歩を踏み出せる町の魅力
「本棚のレンタル」は、町の人が小さな本屋として棚のひとつをレンタルし、自分のお気に入りの本を 販売しています。
本屋の中にある「カフェ」では、町の人たちが本を読んでゆっくりとくつろいだり 情報交換ができる交流の場所としても活用されている様でした。
その日いらっしゃっていた常連さんは、毎回横浜市から髪を切りに来訪するそうで、 「この空間が好きで定期的に足を運んでいます」とお話してくれました。
住⺠同士が自分のできる範囲で、やりたいことにチャレンジし、 応援し合える仕組みが生まれていました。
▼愛おしい風景を広める、町の案内所 ~真鶴出版社~
町とのつながりが感じられる、真鶴町ならではの朝ご飯を楽しむことができますよ。
▼まとめ
そんな連鎖が生まれていました。
また真鶴町にはUターンやIターンの移住者も多く、多様な価値観を持った人が住んでいます。
定住者と移住者が交わることによって、町の受容力が高まり、 新しい住⺠が増え続ける理由となっているのかもしれません。 ぜひ皆様も真鶴町のまち歩きに参加して、この町の魅力を堪能してみてください!!
・『真鶴町まちづくり条例 美の基準 Design Code』(1992年/真鶴町)
・『真鶴町案内読本 真鶴手帖』(2022年/真鶴町)
・『まちを歩いて、紙を編む』(2023年/真鶴出版)