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【Event Report】これからの東京に近所付き合いは必要か?ネイバーフッドデザインの考え方

2024年5月18日(土)、HITOTOWA INC.の原田氏をゲストとしてお迎えし、「これからの東京に近所付き合いは必要か?ネイバーフッドデザインの考え方」に関する対談が行われました。当イベントには、不動産デベロッパーの方を中心として、管理会社や都市計画コンサルタントの方など様々な業種の37名の方にお集まりいただきました。 本イベントは、様々な都市課題の解決につながり得る「近所付き合い」の重要性について考えることを目的として実施しました。現代において求められるエリアマネジメントやコミュニティの在り方について、不動産デベロッパーや管理会社、設計会社、都市計画コンサルタントなど視点からのアプローチを考える企画です。同じまちに暮らす人々がいざというときに助け合える関係性をつくることを「ネイバーフッドデザイン」と定義し、独自のメソッドを用いて様々な地域のマンションや大規模団地で実践するHITOTOWA INC.の原田氏にお話しいただき、グループワークを通じて参加者同士で意見交換を行いました。

◼︎近所付き合いの重要性について

冒頭に近所付き合いと防災・子育て、高齢者の孤立の関係について説明していただきました。例えば、防災の観点だと、阪急淡路大震災時にある街では人命救助をした人の半分以上は「近所の人」という話があり、安全を支えるという生活の基礎的な観点からも近所付き合いが持つ重要性を感じました。

◼︎「KOITTO」の事例紹介

一般社団法人小岩駅周辺地区エリアマネジメントについて、事例を紹介いただきました。例えば、ハンドメイド作家が1ヶ月単位でラックの1区画をレンタルして販売できる「小岩クリエーターズSHOP」は、エリアマネジメント組織の収益に繋がるだけでなく、ハンドメイド作家を地域に巻き込むきっかけになっており、地域の魅力づくりと組織の運営を両立させる工夫として印象的でした。

◼︎機会のデザイン

近所付き合いを生むための機会づくりについてもお話いただきました。機会を作るためには、単発のイベントだけでは人の繋がりを作ることは困難です。ネイバーフッドデザインのメソッドでは、大きめのイベントに加えて小さなイベントを行っていく中で、イベントを企画してみたい住民を見つけて、どう巻き込んでいくのかが重要になると言います。

◼︎ネイバーフッドレベル!

後半のグループワークでは、まずアイスブレイクとして、本イベントオリジナルのネイバーフッドレベルシートを用いて近所付き合いの程度を参加者間で共有しました。お隣さんと出かけるなど、思いのほかネイバーフッドレベルの高い方もいらっしゃいました。近所付き合いについて、現状と理想を対比させて考える機会は少ないのではないでしょうか。

■グループでの意見交換

会の後半にはグループでのディスカッションを行いました。上記のワークシートをもとに近所付き合いについての現在と理想の状態を個人で考え、明日からできるアクションへ落とし込みました。集まった参加者の皆さんは仕事で開発やマンション建設に関わっている一方で、自身の生活の中では近所付き合いがあまりできていない人もいたり、楽しく交流している方もいました。普段は考えることのない視点で近所付き合いを考える事で、新しい視点が生まれた人も多いのではないでしょうか。

■質問タイム

SLIDOを活用し、会場やオンラインから質問や感想を共有しました。一部の質問をご紹介します。
「民間であるデベロッパー等に担って欲しい役割、つくってほしい空間は、エリマネ視点ではどのようなものがあるか?」「はじめてのイベントだとなかなか参加者が少ないこともあると思うが、何を意識しているのか?」「緩やかなつながりは、いざというときに必ずしも結びつかないのでは?」などの事業者視点の質問も多く寄せられました。
地域や状況によってあるべき姿や手段も異なるため、なかなか回答が難しいところではありましたが、参加者自身が実践する上でのヒントになったのではないかと思います。
▲講義を聞きながら、真剣にメモをとっている方が多かったです!
住人にとっても事業者にとっても近所付き合いは重要ですが、ここではHITOTOWAの原田氏の話を参考に事業者の視点で整理します。事業者が近所付き合いの重要性を理解したからと言って、積極的に近所付き合いが行われるというものではありません。事業者は近所付き合いの重要性を理解した上で、それを促進する仕掛けをつくる必要があります。この仕掛けはどこの場所にも適用可能な画一的なものではなく、ターゲットや地域によって様々で、その仕掛けを多様にすることで、参加の入り口が増えこれまでになかった人との結びつきや新たなつながりが生まれます。   まだまだ成功事例が多くない中で、同業他社同士の意見交換も重要になります。不動産デベロッパーや、管理会社、コミュニティ支援会社、学生など様々なバックグラウンドを持つ方が参加し、意見交換する事で新しい視点を取り入れる良い機会になったのではないでしょうか   次回は、2024年8月頃に実施を予定していますので、ぜひご参加いただけると嬉しいです〜!