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【Field Report】小海町 ~五感で感じるSXワークショップ

2025年3月26日、シティラボ東京の平井・三井が、長野県小海町で進む「小海SX Field キックオフワークショップ」に参加してきました。
小海 SX Field」は、小海町でホテル事業や森林セラピー事業などを通じて、持続可能なまちへの変革に挑戦する”地域発SX”を目指す取組みです。ここでの“SX”は“Sustainability Transforamation”と“Sustainability Experience”の2重の意味を持っているとのことです。
今回は、この取組みの中核となる拠点施設(「MIYAM/OTO」)のオープンに先立ち、小海SX Fieldの事務局を担う株式会社MIYAMOTO様にご招待いただきました。この旅を通じてシティラボスタッフが五感全てで受けた体験をレポートにしました。 (シティラボ東京は小海 SX Fieldのアンバサダーとしてスタートアップの紹介をはじめとしたマッチングを行っています)

▼小海町

今回お邪魔した小海町の松原湖周辺は、東京駅から北陸新幹線で約1時間半、佐久平駅から車で30分ほどの場所です。
松原湖では、カヌーやボート、SUPなどの水上レジャーやヘラブナ釣り、また冬には全面結氷する湖の氷上でワカサギ釣りが楽しめます。 自然を楽しむ観光地としては東京の都心からのアクセスも良く、長年賑わいを見せてきました。 しかし近年、若年層の流出や高齢化、COVID-19の流行等によって地域の人口減少により宿泊施設や飲食店の廃業等が続くなど、社会的な変化に大きな影響を受けています。 また、冬場に湖面が結氷しない年が出てくるなど、気候変動の影響により観光資源の消失も危惧されています。 そのような社会的・環境的な変化により地域の存続が危ぶまれるなか、小海町は、株式会社さとゆめの伴走支援のもと、企業向けの森林セラピープログラムや研修プログラムを通して企業との関係を築く「憩うまち小海事業」を進めてきました。さらに今回、“Sustainability”を通して民間主体で推進する事業「小海 SX Field」が立ち上がりました。 今回、シティラボのスタッフは、松原湖を周遊する自然セラピー(「Re:Designセラピー」)を体験したのち、オープン予定の拠点施設MIYAM/OTOの見学をしてきました。

▼Re:Designセラピー

小海 SX Fieldの拠点であるMIYAM/OTOに到着したスタッフは、東京から持ってきたPCやその他大きな荷物を置いて、身ひとつになってRe:Designセラピーに出発。
荷物を置いて、町民セラピストと出発。
まだ氷の残る松原湖。
町民セラピストによるガイドのもと、松原湖の湖畔をゆっくり歩きながら、一言で言うなら「五感全てで自然を愛でる」体験ができました。 単に野山を歩くだけでなく、体操をしたり、丹田呼吸を習ったり、特産の黒豆茶やハーブティーを淹れていただいたり・・・。 セラピストのホスピタリティによって、少しずつ小海町の自然に還っていくような、都心の暮らしで気づかずにまとってきたヒューマンスケールを超えた”何か”が一枚ずつめくれていくような・・・、五感全部を使って、とても素敵な体験ができました。
松原湖に流れ込む沢と熊笹。沢の水は11℃くらいで、通年1~2℃しか変化しない。 野生のワサビも自生しており、流れてきた葉はしっかりピリッと辛かった。コブシやクロモジも自生し、フィトンチッドの香りに包まれたフィールド。
樹齢1000年を超えるケヤキの木のウロの中から覗いた空。枝が風になびいて揺れる音がした。
たまたま開花していた福寿草。手前がふきのとう。稀に誤食が発生するので注意(福寿草は毒草)。
湖畔の桟橋の上で横になって、”何もしない”をして贅沢に溶かした10分間。

▼カフェレストラン「OTO(オト)」

セラピーを終えて、みんなどこか優しい顔になりつつ、「MIYAM/OTO」に帰着。まずはお腹を空かせて戻ってきたところで、OTOにてランチをいただきました。 今回のご招待が、OTOでの初めてのサーブとのことでしたが、シェフをはじめスタッフの皆様からは、優しくてあたたかい立ち振る舞いを感じられ、またレストランの空間にも「小海町」を丁寧に紡ぐストーリーがさりげなく埋め込まれており、とても安らぐ時間を過ごさせていただきました。
松原湖を望むMIYAM/OTOのレストラン。落ち着いていて、優しさやあたたかさを感じる空間。
スペシャルランチとリンゴジュース。 小海町とその周辺の食材がふんだんに使われていました。とってもおいしい。

4 宿泊施設「HOTEL MIYAM MATSUBARAKO(ホテル ミヤム マツバラコ)」

昼食後は宿泊施設を見学。ホテルの入口には、「小海町の色」のアートが展示されていました。このアートは、デザイン/アートプロジェクト「Null(ナル)」によって、小海町の土や採れた野菜、植物などを「色」にして展示されている。今回一緒に参加されていたNull主宰の高橋さんによると、「塗装と左官の間みたいな工法」とのこと。 また、このアートには、宿泊体験と紐づく隠れた仕掛けもあるとのこと。(詳しくは泊まってのお楽しみ)
「小海町の色」を説明するNull主宰の高橋さん。
リノベーションされた素敵な客室。
このホテルは、もともと「宮本屋」という宿泊施設をリノベーションしたものです。 「宮本」の名は、建物の後背にある諏訪神社(=宮)のもと(下、根本)、という意味が込められていたそうで、新たにオープンするホテルもそのストーリーを大切に、ホテルには「MIYAM」、同じ建物にあるカフェレストランには「OTO」、あわせて「MIYAM/OTO」と名付けたそうです。 ホテルの各部屋には、白を基調にしたシンプルな空間に木質のあたたかいインテリアが配置され、湖畔の眺望が演出されたおしゃれで居心地の良い空間でした。

▼まとめ

今回の小海町への旅は、ホテルのオープンに先立つ見学やワークショップを通じて、小海 SX Fieldとの今後の連携可能性を深めるために大変有意義なものとなりました。 Re:Designセラピーに関しては言語化しきれるものではなく、小海町を訪れて参加してはじめて、実感を伴って理解できるものでありました。 また、拠点施設MIYAM/OTOは、小海町への愛にあふれた素敵なリノベーション施設で、来訪者の体験を通じて小海町の持続可能性を高めるという小海町の”SX”が詰め込まれた素晴らしい空間でした。 シティラボ東京もアンバサダーとして、小海 SX Fieldの取組みと連携を深めながら、地域のサステナビリティを高める応援をしていきたいと思います。「小海のSX」、今後のさらなる展開にご期待ください。 文責:三井直義
今回ご招待いただいた皆さまと株式会社MIYAMOTOメンバーでパチリ。小海町のこれからに期待大!
ホテル開業に合わせた小海 SX Fieldからと(アンバサダーである)シティラボ東京にいただいた最初の小さな連携。オーダーは、「平井による、ホテルMIYAMに置くサステナビリティ系書籍の選書」(シティラボらしいオーダーをいただきました!)