2019.07.11 社会的企業に学ぶエリアブランディング〜いま、まちに広がるSDGs時代の仕事 第3回
社会的企業にイノベーションはおこせるか
社会・環境へ大きく働きかけるSDGsやESG投資が普及しつつあるなかで、リノベーションや公共空間活用などによる社会的意義を伴った小さな取り組みは、空き家・空き地の解消から始まり、地域コミュニテイの再生に展開し、やがてエリアのブランディングにも貢献していくというケースが現れています。本セミナーは4回のシリーズで、実際にその最前線で活躍する実務者や研究者が話題を提供し、これからの都市経営の手法を探っていくものです。
イントロダクションでは、東京大学の中島弘貴氏が、社会的企業の定義など、本セミナーを取り巻く前提条件を整理しました。
レクチャーではまず、株式会社まちづクリエイティブの寺井元一氏が、クリエイティブな自治区をつくるというビジョンのもと、DIYによる転貸事業を展開し、エリア内インキュベーションを生み出そうとするMAD Cityの一連の取り組み、また、佐賀県武雄市や埼京線、M.E.A.R.LなどMAD City以外にも展開する様々な取り組みを紹介しました。
続いて、早稲田大学の山村崇講師が、「創造的活動を育む都市の“周縁”とゆるい市場」と題して、天王洲や五反田バレー、カマコンバレーの事例紹介を交えながら、イノベーション・創造産業には不確実性を許容できる場所とゆるい市場の必要性を述べ、ゆるい市場が醸成する場としての都市の「周縁」とその担い手としての社会的企業の可能性を示唆しました。
ディスカッションでは、周縁としての松戸の可能性やまちづクリエイティブの社会的企業の位置付けの議論を通して、創造産業を育む周縁や社会的企業のあり方についての議論が深められるとともに、会場からの質疑も通じて、アートとテックを架構していくような社会的企業像を示唆しました。
【イベント概要】
主催:インナーコミュニティ持続再生セミナー実行委員会*+シティラボ東京
費用:各回2000円
申込:申し込みフォームから ⇒申し込みフォーム
問合せ:nakajima[at]up.t.u-tokyo.ac.jp(「[at]」を「@」に変えてください)
【プログラム】
セミナー③ 7/11(木) 18:30-20:30
「社会的企業にイノベーションはおこせるか」
〈講演〉
・「まちづクリエイティブ:戦術的にまちの生態系をつくる」
寺井元一 / (株)まちづクリエティブ
・「創造的活動を育む都市の“周縁”とゆるい市場」
山村崇 / 早稲田大学
〈ディスカッション〉
・「社会的企業がつくるクリエイティブシティの可能性」