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2019.07.03 SDGsが問いかける経営の未来 ~経営戦略の概論から実践的落とし込みまで~

理論と実践の両面からSDGs時代の企業経営を探る

SDGs(持続可能な開発目標)は、従来のグローバル資本主義型経済のなかで進化してきた企業経営モデルに、抜本的な変革の必要性を問いかけています。SDGsに関連するサステナビリティの底流や新たな経営モデルへのシフト戦略について豊富な知見を持つモニター デロイト、SDGsを実際の経営戦略への落とし込みに邁進しているブリヂストン。両社の知見と取り組みを通して課題と可能性を探りました。SDGsの概念浸透に取り組んでいる、また、それを検討している経営者層や担当者、約50名が参加しました。

モニター デロイトの山田太雲氏は、大手国際NGOでの経験もふまえ、①企業はSDGsをどのように捉えるべきか? ②企業経営を大きく変化しうるポイントは? ③経済価値と社会価値を両立した企業の姿とは? という3つの視点から講演しました。
「成長すればするほど世界が良くなる」事業が企業に求められる時代、SDGsは企業経営にとって「攻め」や「守り」に加え、「土台」としても重要な役割を持つことを解説。事業構造を転換し、NGOや政府などステークホルダーとの協調も行いながら成長を果たしている先進企業の事例を紹介すると共に、日本の企業が抱える課題として、インテリジェンス機能の強化や長期・短期を組み合わせた経営計画の重要性などを示しました。

ブリヂストンの稲継明宏氏は、ソリューションプロバイダーへの転換を図る中での具体的な取り組み事例として、低燃費タイヤ、バス乗降時のバリアフリー化に貢献するタイヤと縁石の開発などを紹介しました。また、グローバルCSR体系(Our Way to Serve)の中で、従来のCSR項目を組み直し、プライオリティをつけながら、グローバルな議論と各地域での実行を両立する体制構築についても解説。次の段階として既存のCSR機能を越え、経営・ビジネス戦略とサステナビリティの統合を進める組織の必要性も社内で議論されているようです。

ディスカッションでは、CSVに豊富な知見を持つモニター デロイトの藤井剛氏がモデレーターとなり、企業にとってのSDGsの捉え方や世界の中での日本の立ち位置、具体的に着手する際のヒントを話し合いました。企業にとって、SDGsは、社会課題の共通言語や社外との接点づくりによるイノベーション促進などの側面を持つこと。また、SDGsやESG投資が浸透し、NGOや市民の意見が大きくなる中、従来の「外部不経済」が内部化され、SDGsを事業機会とするためにはビジネスモデルの大転換が不可欠となっていること。最新の情報を得るためにはヨーロッパの情報へのアクセス、NGOとの連携なども求められること。トップがSDGsを経営課題として認識するために、外部と積極的にコミュニケーションをとり、不確実性の高い課題にも取り組んでいくことが重要、といった意見が交わされました。

最後に、人口減少下の日本でのSDGs推進とビジネスモデルの関係、SDGsを自社に適用する際の留意点などについて活発な質疑応答が繰り広げられました。グローバルに見ると日本ではサステナビリティの公論がまだ足りていない状況である一方、企業内の浸透などでは日本のシステムが優れている点もあり、日本企業のSDGs推進が世界にポジティブな影響を与える可能性も期待できそうです。

【イベント概要】
日時:2019年7月3日(水)10:00~12:00
主催:シティラボ東京(企画:東京建物株式会社、運営:一般社団法人アーバニスト)
場所:シティラボ東京

【プログラム】
1.挨拶
・東京建物株式会社 取締役専務執行役員 福居 賢悟
2.登壇者様の御紹介
3.講演 
・モニター デロイト スペシャリストリード(サステナビリティ) 山田 太雲 氏
「SDGsが問いかける経営の未来」
・株式会社ブリヂストン サステナビリティ推進部長 稲継 明宏 氏
「サステナビリティの経営戦略への統合に向けて」
4.ディスカッション・質疑応答
・モデレーター;モニター デロイト ジャパンリーダー/デロイト トーマツ コンサルティング 執行役員 藤井 剛 氏
・山田 氏、稲継 氏(前掲)
5.ネットワーキング

【参考URL】
■株式会社ブリヂストン
https://www.bridgestone.co.jp/

■デロイト トーマツ グループ
www.deloitte.com/jp/dtc


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