レポート
【Event Report】東京のワクワクする未来を考える 饗庭伸×山崎亮
■大きくなり続ける東京 / 新型コロナのインパクト 〜 都市像
また、災害という視点から東日本大震災と新型コロナによる影響を比較すると、前者は被災者と被災者以外の関係が明確であり、制限時間のある高台移転や区画整理など復興のための手段はエリアベースでしたが、後者は被災者と被災者以外の区別が曖昧で、在宅勤務や公共交通を利用しないなど、復興のための手段が個人ベースのため多様であるそうです。
一方、山崎氏は、現状、移動する機会は減っており、YouTubeのような、非同期型の話したい時に話して聞きたい時に聞くような時間差の状態でもコミュニケーションが成り立っていると見ています。アフターコロナにおいても、人々がコロナ前より行動する未来はあまり見えない、その分、近所に対する興味が向上してきたと言います。
■コミュニティのこれまでとこれから 〜 設計
山﨑氏は、網目の結び目を作っていたコミュニティが崩れてきたり、結び目とは別のところに、コミュニティができているのではないかと主張します。studio-Lの活動は、網目の穴の空いている部分でコミュニティデザインを行うことで、そこで発生したコミュニティが網目につながるかは分からないが、経験をもとに別のところでコミュニティが発生したりしていると言います。コミュニティの網目を一生懸命作ることではなく、できやすい環境を作ることを実践してきたそうです。
■「ケアするまち」とは 〜 空間
山﨑氏は、「介護が必要な人」という括り方ではなく、「好きなことを中心に集まった集団の中で介護が必要な人が出てくる」という考え方が必要なのではないかと回答しました。人によって面白いことを実行していく拠点が街の中にないといけないし、予防介護的な観点から、介護が必要になる前の段階から「ケアをし、ケアをされる関係」を作れる場所が必要だからです。
■地域活動がつながる未来 〜 歴史と未来
山崎氏は、自身のワークショップでは25年スパンで市民参加を捉えることが多いと言い、1945年の選挙(市民参加1.0)、1970年ごろの反対運動(市民参加2.0)、1995年のごろの市民が実際に動き始めるNPO元年(市民参加3.0)、そして2020年の市民参加4.0はシェアリングエコノミーの25年になるのではないかと言います。まちの小さな課題を市民自身で解決し、その活動自体がつながることで、大きな問題も解決していくことがありうるのではないかと考えています。
■既にあるものをいかに編集するのか
■日時:2020年12月7日(月) 20:00〜21:30
■コーディネーター: 饗庭伸(東京都立大学大学院都市政策科学域教授)
■ゲスト: 山崎亮(studio-L、コミュニティデザイナー、社会福祉士)
■モデレーター:矢野拓洋(シティラボ東京)
■主催:シティラボ東京(一般社団法人アーバニスト)
20:00 – 20:10 イントロダクション
20:10 – 21:10 ディスカッション/クロストーク
21:10 – 21:25 Q&A
21:25 – 21:30 クロージング
21:30 – 22:00 アフタートーク