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【Event Report】U30 対談企画 ゲスト: 長江雅史さん(株式会社LINKER 代表取締役)

U30とは?

我々は、「U30がワクワクするまち暮らし」をテーマに、30歳以下の世代がまちへ関わるための「新しい入口づくり」、「新たな関わり、巻き込み」を考え、実践する団体です(随時メンバー募集中)。活動のひとつとして、対談企画を実施し、それぞれのメンバーがかっこいいと思うゲストをお招きし、異なる分野の視点でまちを楽しく暮らすコツ、まちとの関わり方、都市の楽しみ方を考えています。

まちづくりは一人ひとりの想いからー「U30」の視点から「まち」を考えるー

4/24に第6回目となるU30対談企画を開催しました。ゲストは、「株式会社LINKER」代表取締役の長江雅史さんです!今回の企画者は洲崎・執筆者は蔭山です!長江さんは、大手不動産デベロッパーとしてご活躍された後、不動産ベンチャー企業を経て、現在代表を務める株式会社LINKERを起業された方です。私(蔭山)もデベロッパーに入社しましたが、新規事業の立ち上げや起業にも興味があったため、大変貴重な時間でした。他のU30もまちづくりがしたくデベロッパーに入社したメンバーは多く、長江さんのお話は大変有意義な時間になったと思います。

大企業からベンチャー企業、民間から公共まで

まず、長江さんから、これまでの経歴、その当時どのようなことを考えていたのか、紹介がありました。 大きくキャリアでのご経験を2つに分けると、「不動産開発・管理・活用」、「人事・経営」です。新卒で入社した行政系のデベロッパーでは、団地の建て替え事業や住宅事業の認知度向上ための広告などをされております。周りが優秀ということもあり一時期ご苦労されたようですが、広告事業では、若手ながらお客さんの心に響く広告デザイン・キャッチコピーを考えた広告を主担当として制作し、CM賞を取るほどの反響を得たそうです。
2社目の会社では都心部の商業開発事業や人事採用の部署に配属されていました。次は変化の激しい時代にも市場価値を高めるべく、不動産関連のベンチャー企業に転職され、経営や人事のご経験をされました。そして、3社でのご経験を踏まえて、デベロッパーでもない形で良いまちを作りたいという想いから、現在の会社を立ち上げました。

『まち』って何だと思いますか?

今までのキャリア・ご経験についてご紹介いただいた後、「『まち』って何だと思いますか?」「これからまちをどうしていきたいですか?」という問いを長江さんからいただき議論しました。
メンバーの西は、まちでは「色々な人が能動的に関われることが大事」、洲崎は「愛着、思い出を作っていけることが大事」、山からは「可変性のあるコミュニティが大事で、価値創造・試せる場所」という意見が出ました。私は、まちは家庭とも学校・職場とも違う「居場所」であり、居場所だと感じられるようなまちを作りたいと思っています。メンバーからは能動的な関わり、価値創造、愛着、居場所などのワードが出てきましたが、いずれも建物や空間ではなく、「人」に着目した意見でした。 長江さんは、今までのデベロッパー業でのご経験を踏まえて、まちには余白があることが大事だと仰っていました。まちは「作る」のではない「勝手にできていく」ため、箱を作るのではなく、余白を作ることが大事だと。デベロッパー、設計、建設などに携わると、空間を作ることにばかり集中してしまいますが、まちという1歩引いた視点を常にもち、まちの本質的な価値向上や将来の発展をさせることが大事だという気付きを得ました。作るべき「余白」とは、物理的な空間の工夫から、勝手に作られるように後押しする仕掛けまで様々な要素が含まれていると思いますが、「余白」が何かを諦めず考えていきたいです。

起業への決意

長江さんは、大企業でご活躍され、ベンチャー企業では役員にもなられた方ですが、安定した立場・地位があった中で、どのように起業に踏み切ったのか聞きました。長江さんは、以前から起業すると決めておりその強い意思があったからこそ起業に踏み切れたそうです。もちろん、市場的に適切なタイミングを見計らいつつ、ご家族のご協力も得て実現できたとのこと。世の中には学生時代や20代には起業したいという熱意がありながらも、結婚・出産を機に、起業マインドがなくなってしまう人が多いのではないでしょうか。個人的に、どのようにしたら長江さんのように起業マインドを捨てずに30代以降を過ごせるのか考えていきたいです・・!
【ゲストスピーカープロフィール】 長江 雅史 埼玉県生まれ、富山育ち。小学生から高校生までの多感な時期を富山で過ごす。母子家庭でお婆ちゃん子として育ったこともあり、環境や人が人格に与える影響について、身をもって感じてきた。
今ほど東南アジアへの旅行が一般的ではなかった学生時代、発展途上国中のバンコクを訪れ、街のカオスとエネルギッシュな人々の生活に衝撃を受け、街づくりに関わることを決意する。
卒業後、東京・大阪・名古屋で過ごし、それぞれの土地でさまざまな人との関わりを経て、仕事の基礎を築いていく。UR 都市機構・三菱地所にて、民間と行政による街づくりから古くなった団地の空き家解消促進 PJ など幅広く携わる。
その後、ベンチャー企業にて「地域目線での街づくり」や「街とお金の流れ・サイクル」、「組織運営と経営」についてより深く考えるように。先行き不透明な世の中、ひとりの人間として社会に身を投じて「人や地域・コミュニティの一部となり、企業・組織・まちの課題を解決するLINKERとなることを決意し、株式会社LINKERを設立。
【企画者プロフィール】 洲崎 志織 1999年生まれ。埼玉県上尾市出身。明治大学建築学科卒業、同大学院建築・都市学専攻(iAUD)に進学。まちづくりワークショップや設計課題を行う中で、地域の歴史や文化の視点からまちを考えることの大切さを学んだ。中学・高校・大学の部活動では、バスケットボールに打ち込み、高校では全国大会に初出場した。2023年4月より、人目線で不動産開発を行う、野村不動産株式会社に入社。 【執筆者プロフィール】 蔭山 亮 1998年生まれ。東京都世田谷区出身。東京理科大学工学部建築学科卒業後、東京都立大学都市政策科学域に進学し、饗庭伸研究室で都市計画を学ぶ。東京郊外の戦後マーケットについて研究しながら、街の中心である商店街の担い手不足への問題意識から合同会社はじまりの和泉を設立。2022年4月より、東急株式会社に入社。